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アレルギー物質を含む食品の表示について

食物を原因とするアレルギーによる健康被害を防ぐ為に、 平成13年4月1日よりアレルギー物質を含む食品に 新たに表示基準が定められました。(ただし、平成14年3月31日までは猶予期間となっていました。)

今回、表示の対象となるものは、
容器包装された加工食品(ただし容器包装の面積が30平方cm以下のものについては表示等を省略できる。)
及び食品添加物で、過去の健康被害の状況などを考慮し食品摂取時に現れるアレルギー症状が重篤なもの(7品目)
アレルギー症状を引き起こす可能性の大きいもの(20品目)となっています。

これらの品目は、時代の変化とともに適宜見直しされるようです。

平成20 年6 月3 日に食品衛生法施行規則が改正され、「えび」及び「かに」を原材料とする加工食品にあっては、これらを含む旨を表示することが義務づけられ、平成22 年6月4 日より製造、加工、輸入されるものから完全施行されます。
えびの範囲: くるまえび類(車えび、大正えび等)、しばえび類、さくらえび類、てながえび類、小えび類〔ほっかいえび、てっぽうえび、ほっこくあかえび(通称あまえび)類等〕、その他のえび類並びにいせえび類、うちわえび類、ざりがに類(ロブスター等)が対象です。十脚目のみが対象で、しゃこ類、あみ類、おきあみ類は対象外です。
かにの範囲:いばらがに類(たらばがに、はなさきがに、あぶらがに)、くもがに類(ずわいがに、たかあしがに)、わたりがに類(かざみ、いしがに、ひらつめがに等)、くりがに類(けがに、くりがに)、その他のかに類が対象です。

今回の表示制度では、この中から特に症例数の多い3品目(卵、乳、小麦)と、特に症状が重くなるため注意が必要な4品目(そば、落花生、えび、かに)の合計7品目を対象に、これらを含む加工食品について、食品衛生法に基づく原材料名表示を義務づけることにしました。


この特定原材料7品目は、製造時のキャリーオーバー等のごく微量の混入であってもそれらが含まれる食品はすべて表示されるようになります。

特定原材料として表示が義務付けられた食品

小麦
(乳製品を含む)
ソバ 落花生 えび かに

残りの20品目は、摂取したことによってアレルギーを起こす可能性のある食品です。
しかし、現在のところ症例が少なく、多いとしても症状が重くなる例が少ないためと現段階では科学的知見が必ずしも十分ではないため、表示を行うことを奨励することにとどめてられています。

特定原材料に準ずるものとして表示が奨励される食品

あわび いか いくら さけ さば
牛肉 鶏肉 豚肉 くるみ 大豆
もも 山芋 まつたけ オレンジ キウイフルーツ
りんご ゼラチン バナナ ごま カシューナッツ

表示方法は原則として、(1)「特定原材料の名称」、(2)「代替表記」、(3)「特定加工食品の名称」のいずれかを表示することとなります。
※ごま、カシューナッツは、2013年9年20日に消費者庁より、表示を推奨する品目に追加するよう通知されました。

(1)特定原材料等の名称 (2)代替表記
(特定原材料と同じもので
あると理解できる表記)
(3)特定加工食品の名称
(原材料として特定原材料 が含まれていることが 理解できる表記)
特定原材料 玉子、たまご、タマゴ、
エッグ、鶏卵、あひる卵、
うずら卵
マヨネーズ、オムレツ、目玉焼
かに玉、オムライス、親子丼
小麦 こむぎ、コムギ パン、うどん
そば ソバ 無し
落花生 ピーナッツ 無し
牛乳、加工乳、乳飲料
はっ酵乳、チーズ、バター
など
生クリーム、ヨーグルト、アイスミルク、ラクトアイス、ミルク

また、特定原材料に由来する食品添加物は、原則として「物質名(〜由来)」(〜の部分が特定原材料名)の表示が必要です。
また、一般的には表示を免除されているキャリーオーバーや加工助剤についても特定原材料に由来する場合は表示をします。

アレルギー物質を含む食品添加物表示 (例)現行 → 新表示
(1)原則として「物質名(〜由来)」と記載。 カゼインナトリウム カゼインナトリウム(乳由来)
(2)調味料、乳化剤などの一括表示する
食品添加物の場合、「一括名(〜由来)」
と記載。
調味料(アミノ酸)
乳化剤
調味料(アミノ酸:いか由来)
乳化剤(卵由来)
(3)別名又は簡略名で、「卵」「大豆」「小麦」
等を意味する表現が使われている食品添加物
には、(〜由来)は省略。
卵黄レシチン
ダイズ抽出物
コムギ抽出物
同左/(〜由来)表示は省略
(4)製造で精製が完全であったり、
焼成などでアレルゲンの蛋白質が
存在していないもの (抗原性が認められないもの)には表示なし。
乳糖
乳清第三カルシウム
焼成カルシウム
同左/(〜由来)表示は不要

なお、「○○が入っているかもしれません」などの可能性表示は原則として認められていません。
特定原材料を含む食品と同じ製造ラインを使用して製造した食品のように特定原材料が混入する可能性のある場合には「○○(特定原材料の名称)を使用した施設で製造しています。」と記載されます。
「肉類」「穀類」等の特定原材料を複合化した表示のみの場合も認められていません。
「牛肉」「小麦」などのように定められた名称が記載されます。

禁止される複合化表示 正しい表示
「穀類」 「穀類(小麦、大豆)」 「大豆」 「小麦」
「肉類」 「動物性○○」 「牛肉」 「豚肉」 「鶏肉」
「果物類」 「果汁」 「りんご」 「もも」 「キウイフルーツ」

特定原材料等のうち、高価なもの(あわび、いくら、まつたけ等)が含まれる加工食品についてはごく微量しか含有されていないにもかかわらず、あたかも多く含まれるかのような表示が行われると消費者に誤認を生じさせるおそれがありますので、「あわび粉末」や「まつたけエキス」など含有量や形態に見合った表示がされるようになります。

キャリーオーバーとは… 食品の原材料の製造または加工の過程において使用されかつ、当該食品の製造または加工の過程において使用されない物であって当該食品中には当該物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないものをいう。

加工助剤とは…食品の加工の際に添加される物であって、当該食品の完成前に除去される物
当該食品の原材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられかつ、その成分の量を明らかに増加させるものではない物または当該食品中に含まれる量が少なくかつ、その成分による影響を当該食品に及ぼさない物をいう。(食品衛生法より)

webmasterの思うこと
平成13年4月1日から、食品衛生法施行規則の改正により、
アレルギー物質を含む食品の表示についていろいろな規則ができました。
特定原材料(5品目)は表示義務、特定原材料に準ずる食品(19品目)は
表示を推奨という形になっています。

しかし、この中に五大アレルゲンである「米」が含まれていません。
理由があってのことだとは思いますが、困っておられる方も多いと思います…。
また、大豆は特定原材料の中に入っていないため、推奨となり 「必ず表示されるもの」とはなっていないようです。

また特定原材料に準ずるもの(19品目)が企業秘密に該当する場合、
『特定原材料を含む旨は表示する必要があるが、他の原材料の詳細について情報提供ができない場合は
記載を行っている他にも原材料を用いている旨を記載し、アレルギーに関する問い合わせ先等を
記載することにより、個別に情報提供に応じることとすること。』 となっているようです。
つまり、消費者が食物アレルギーに該当する食品を「使用しているのか、いないのか」という問い合わせが
出来る窓口があることを消費者に伝えること、そしてその問い合わせについて
メーカー側は正確に答える義務が課されたということなのです。

今回の法改正で、アレルギーを考慮した項目ができたことはとてもいいことだと思います。
しかし、特定原材料に準ずる食品も表示を義務化してほしい、と願う人も少なくない現状…。
やはり、私たち消費者が声をあげ、より良い方向に持っていかなければならないと感じました。

何はともあれ、ようやく動き出した『日本のアレルギー対策』
あなたはどのように感じられましたか?よろしければ、ご意見ご感想ををお聞かせください。

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