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アトピー性皮膚炎の治療について説明してください。

アトピー性皮膚炎の治療の基本は、「かゆみ」を抑え、「かゆみ」と「掻く」行為の悪循環を断ち切る事です。
「かゆみ」を抑える一番の早道は、強力な抗炎症剤=ステロイド外用薬を使う事だといわれています。
しかし、手軽に「かゆみ」を抑える治療を求める前に、なぜ「かゆみ」が起きるのかについて考えて下さい。
現在の医学では、アトピー性皮膚炎の子どもが受け継いでいる

1・皮膚の生理的な機能が弱い体質・
2・アレルギーになりやすい体質そのものを治療する事はできません。
しかし、「かゆみ」を引き起こし、「かゆみ」を感じやすくさせている原因を調べ、取り除く事は可能です。

1・皮膚に「かゆみ」を引き起こす刺激・
2・アレルギーを引き起こす環境刺激・
3・「かゆみ」を増幅させる精神的な刺激を、
一つ一つ丹念に取り除き、「かゆみ」そのものが起こらないようにする事ができれば、皮膚炎症状も落ち着きます。

さらに、健康な皮膚機能を取り戻す治療(スキンケア)を気長に続けていく事で、アトピー性皮膚炎は良くなっていくと考えています。
残念ながら、「かゆみ」を起こす原因の組み合わせは、一人一人違います。
簡単なスキンケアだけで軽快する人もいれば、考えられるすべての事に注意をし尽くしても良くならない人もいます。

環境から受ける様々な刺激に対して、必要以上に神経質になり、子どもや母親自身が大きなストレスを受けてしまっては良くありません。
アトピー性皮膚炎の原因を大きく眺めて、必要な治療を専門医と相談しながら進めていく事が大切です。
ここでは、アトピー性皮膚炎の治療を、次の5点にまとめて説明します。

1・しっかりとしたスキンケア
2・十分な環境設備
3・安定した精神生活
4・必要最小限の食事療法
5・治療の助けとしての薬物療法

木村 彰宏(いたやどクリニック 小児科部長)

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